今ひと度の静寂を…

奉曳車


おかげ様で9月1日、無事、大成功を収めた我が町の白石持ち行事。

いよいよに迫った遷御(せんぎょ)を控え、夢の中にいた様な熱い日々を、神領民の一人一人が静かに胸に刻んでいる最中だと伝わります。

振り返れば、平成18年の春から、第六十二回遷宮行事の御木曳きが始まった訳ですが、我が町の奉曳車の心棒は、その更に八年も前から、五年間水に浸け、三年間乾燥しといった事を始めておりました。
(ワン鳴りでよい音を出す為に…)


奉曳車の心棒


それを考慮すると、約15年以上も前から、その準備を大切に育んできた訳です。

また、ここ数ヶ月は、奉献の為のもろもろの準備が、毎日の生活の一部として、お役を務めて下さった方々の日常の全てにありました。

夜は木遣の練習に精を出し、週末は奉曳車の整備にあたり、仕事の合間のわずかな休憩時間に他の町の奉献の様子を見に出掛け、志を高めるべく昼夜を問わず奔走されていました。



本木遣



遷宮行事に携われる事こそが、この町に生かされた喜びと感謝を現す唯一の手段、誰しもの喜び勇むその背中が、無言で語りかけてくるように、日に日に町中の人々に浸透して行きました。


そして、奉献の最終日、今まで育んで来た感謝の想いを一気に盛り上げ、町民全員の心はまぎれも無く一つになりました。

それは、目には見えずとも、ワン鳴りの音が、綱を伝い私達の手に振動として届くように、
真摯に唄い上げる木遣唄に心が震えるように、確かに明確に伝わり、多くの皆さんと共に感動を分かち合えたひと時でした。



少年本木遣


御白石を奉献出来た場所は、二度と立つ事は叶わない場所なれば、今は身体に残るわずかな痛みが、唯一、その日々が夢ではなく現実だった証のような想いで、それらさえ愛しく感じられる日々のようです。

木遣や掛け声で、枯らしたノド、
采(ザイ)の振りすぎで、痛めた腕、
練りの綱ですりむけた背中、その全てを慈しみ嬉しそうに話す人々を見ていました。


女性木遣と町の人々



豊さかのぼる日の本は 千代も八千代も万代も なほ静かなり四海浪
     
しめろやれサッサ 曳いてくりよ エンヤ!!!
  (木遣唄の一節より)


これからとこしえに続く未来、四つの海が静かであり、日の本が豊かな国であり続けるよう、
今我らの心はひとつ、曳いておくれ、神のもとへ…。


外宮奉献白石



古(いにしえ)から受け継がれた古い木遣唄に、先人からの変わらぬ願いが込められていました。  


身体の傷が癒える日々に、脈々と繋がる二十年という循環を各々がしっかりと胸に刻み、
そして新たな二十年、『生』の始まりを、今静かにお待ち申し上げるところでもあります。



内宮宇治橋の鳥居



豊さかのぼる日の本は 千代も八千代も万代も なほ静かなり四海浪



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感無量です

コメントを書きかけては消し、、、。
なんとも言葉の選びようがないほど感無量です。
素晴らしい記事を有難う御座います。

お疲れ様です。

いちこさん。はじめまして。伊勢の美しい景色のお写真をいつも拝見させて頂きありがとうございます。伊勢の従妹が木遣唄をしています。私は先日の外宮さんのお白石奉献で、初めて参加させて頂き、従妹の姿に、感無量でした。70過ぎの叔母は今回で4回目の参加でした。股関節や膝、脊椎、頸椎等に持病がある私ですが、当日は、本当に不思議なくらい、長距離を歩く事が出来ました。奉献後、帰りはもう歩けなくなり、帰り車は諦めました。いちこさんも無事奉献を終えられお疲れ様で御座いました。エンヤ!エンヤ!

ユーマミさま

コメントありがとうございます~m(_ _)m

もっと早く記事を書けると良かったのですが、私自身も胸に落とし込むのに時間がかかりました~(汗)
今回持たせていただいた御白石は、内宮さんのものより、一回り小さかったのですが、でもその重みは倍以上、ずっしり重く感じました。
御縁ある方々の多くの手が添えられた重みのようにさえ思え、新宮の正面にそっと置かせていただきました。
何を書きかけて下さってたのでしょうか~フフフっ(笑)

利他さま

コメントありがとうございます~m(_ _)m

利他さんも御奉仕されてたのですね!お疲れ様でした。従妹さんも叔母様もお疲れ様です~^^
木遣子さんの真摯なお姿、高らかに歌い上げる美しい声、それでいて、いつも周りを気に掛ける優しさに胸を打たれた事と思います。
今回の奉献は酷暑の中での開催でしたから、お身体もさぞ不安があられた事だと思います。
でも奉献は感無量で、なんとも不思議な体験でもありますよねっ!なぜか元気が溢れるのです~♪
叔母様の5回目御奉仕が叶えられるよう、私達もしっかり心を繋いで行きましょう~!
ってちょっと気が早い!?"r(^_^;)

ありがとうございます

白石持ち行事が大成功とのこと、おめでとうございます。
遷宮に携わることができる地域に生を受けられた皆様は
神様を御祀りする喜びと誇りを常に持つ事ができる方々なのですね。
長い月日をかけて粛々と準備されたご様子が伝わってきます。
今年が遷宮だと知ったのはほんの2〜3年前の私です。(お恥ずかしい…)
伊勢の方々が町ごとに一致団結されて、1回分でも10年近くの歳月をかけてこの日に向けて準備されていると知って胸が熱くなりました。
そのお蔭で、豊かさのぼる日の本として存在できるのだと感謝申し上げます。
いよいよ伊勢の神様が若いお力が漲って再生なさいますね。
今日も素晴らしい神事と蔭となり日向となって支えて下さっている方々の記事をありがとうございます。

みつばちエミリーさま

御祝いコメントありがとうございます~m(_ _)m

そうですね~♪、私達伊勢の者は、神様の存在をより近くで感じられるからでしょうか、
小さい頃から両親を始め、周りの大人達の当たり前に心を尽くす姿を見ているからでしょうか、、、
そういうのが、ホント自然な事と心から思っています。

ですが、それと同時に豊かさのぼる日の本は、なにも私達に限った事ではない事も知っています。
それぞれの場所で心を尽くす皆様のおかげ、伊勢を想う多くの皆様のおかげであるとの教えも、当たり前に身に付いていますからね(^_-)-☆

現に私なんてすっかり皆様と共に奉献しているものと、信じて疑っていませんでしたヨ(笑)
ご縁をいただけた皆々様と一緒にね~♪

No title

大役お疲れさまでした!
暑い中参加されたみなさんにも感謝です。



放浪者さま

コメント応援ありがとうございます~m(_ _)m

放浪者さんや皆さんが一生懸命支えて下さったおかげですよ!こちらこそ、感謝なのです♪
危険をともなう様な暑さの中ではありましたが、無事に終える事が出来た今、全てが宝物のような愛しい経験でした。
遷御まであとわずかです。。。

No title

あ~ 最後の写真、特に傑作ですね!

三郎さま

コメントありがとうございます~(〃∇〃)ゞ

この写真は御白石持ち最終日の翌日の早朝です。
私自身も貴重な体験をさせていただいた事、色んな方と心を通い合わせる事が出来た事、喜んでもらえた事、もう何もかもがうれしくて、翌日の朝、御参りをさせてもらったのです。
珍しく人の気配もまばらで静かだった宇治橋を撮ってみました。

季節が移る

いちこさ〜ん、お白石持ち行事、お疲れさまでしたー。(遠い国からのコメなのでつい叫んでしまう…)
まだまだそちらは日中、暑いのでしょうか。こちらは続いていた晴天が一段落し、3日前から雨が降っています。日中気温は10度前後です。あっというまにシューと音を立てて短い夏が終った感じです。
伊勢のモフモフ写真を拝見したのはついこの間みたい。あの時、こちらも緑につつまれだして浮かれていましたが。季節は終わるというか、よどみなく移っていきますね。
伊勢でも一つの季節がおわって新しい季節が始まろうとしているのが、いちこさんの記事と写真から感じられます。新しい季節に向けて私も歩いていかなくちゃ、と気持ちが引き締まりました。いちこさん、いつもありがとうございます。
あ、ところで最期の写真、おいしそうな桃が真ん中に写ってる〜!

三月の桃日和さま

コメントありがとうございます~m(_ _)m

こちらも御白石持ちの熱い日々が終わり、それと同時に朝夕秋風の涼しさがわかるようになって来ました^^
本当に季節はよどみなく移ろいで行きますね~!
そんなどこかしらセンチになる季節感も手伝って、最終日を終えた直後、

『何か胸にぽっかり穴が開いてしまったような…』
とぼーっする人々が周りで続出していました。
それだけ一生懸命になって必死にやり遂げ、充実した日々の証拠とは言え、それって贅沢な燃え尽き症候群なんじゃない…!?かなっと(汗)
おいおいっ!遷御はもう目前ヨ、凹んでる場合なんかじゃないんだから~~~(〇o〇;)

ともかく、せっかく開いた穴ならば、そこから感謝を注入し、溢れる想いでフタしちゃえ(^_-)-☆
などと心中で叫び、誰より自分に言い聞かせていた私でもありました~(笑)

桃さ~ん、桃情報ありがとうございます~♪
プロフィール

いちこ

Author:いちこ

伊勢神宮の神様の森は甲子園球場の1300倍!だから伊勢の空気や水はとても清らかなのです

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